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北九州文学散策 86

 星野立子句碑(飯塚市宮町2-3 納祖八幡宮)  -昭和34年11月建立ー
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 星野立子(たつこ)。明治36年(1903)~昭和59年(1984)。東京麹町に生まれ
ます。本名も立子。高浜虚子の次女。東京女子大卒業。星野吉人と結婚して、夫と
共に、「ホトトギス」発行所に勤務します。大正6年頃から俳句を作り始めます。
 次第に、頭角を表わし、女流俳句の基盤を造ります。昭和5年、俳誌「玉藻」を創刊。
 昭和6年から鎌倉に住みます。昭和9年、「ホトトギス」同人になります。昭和10年
代には、中村汀女、橋本多佳子、三橋鷹女と共に4Tと言われました。

 昭和28年、南北アメリカ、31年には、文化使節団としてヨーロッパを訪問し、俳句
活動を盛んに行っています。句風は、柔らかく、素直な気持ちで自然を詠んだものが
多く、その新鮮な句は、若い人達に大きな影響を与えました。
 朝日俳壇の選者を務めました。句集に、「立子句集」「鎌倉」「笹田」「春雷」などがあ
ります。
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 昭和33年4月26日に、父の虚子と共に福岡空港から、車で篠栗、八木山を越え、
飯塚に入りました。知人の家に父を休息させて、立子は、歓迎句会に出席します。
 その句会で詠まれたのが、この句です。その時、立子は、「篠栗の山河の佇まいが、
わがふるさと伊予に似ていることに感動して、この句を詠みました」と話したそうです。

 ままごとの飯もおさいも土筆かな
 たんぽヽの皆上向きて正午なり
 鎌倉の空の青さよ曼珠沙華
 鎌倉の町中にあり寺の冬
 ま横より仰ぐ大仏春の空
 今朝咲きしくちなしの又白きこと
 秋晴や教会の見えて来れば町
 美しき緑走れり夏料理
  *夏の料理は、眼に涼やかなのが一番です。ガラスの器に盛られた
    緑の美しいオクラやきゅうりなどは、涼感に溢れています。
    「走れり」という表現が、とても印象的な句です。

 写真 短歌 コメント  並平

by dendenuta | 2008-01-24 10:04
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by dendenuta
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